研究課題/領域番号 |
18406032
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190410)
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研究分担者 |
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)
今井 圓裕 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00223305)
堀尾 勝 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20273633)
安田 宜成 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60432259)
谷本 光生 順天堂大学, 医学部, 助教 (00420836)
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キーワード | 慢性腎臓病(CKD) / 糸球体濾過値(GFR) / GFR推算式 / イヌリンクリアランス / 国際情報交換 / 韓国:中国 |
研究概要 |
アジア人種におけるGFR推算式を作成するため、イヌリンクリアランス(Cin)検査方法を改良した。本邦標準法ではブランクの採血採尿、その後3回の蓄尿と採血が必要であり、操作は煩雑で検査費用も高額となる。そこでプロトコール簡略化を81例のCi結果を検討した。ブランク採血、採尿陽性例は2例のみで、その結果がCi値に与える影響も無視しうる水準であった。ブランク陽性例の一部で尿中フルクトースを認め、検査前の甘味料を含んだ食品、飲料の摂取が要因と推測された。3回平均と2回平均のCi値の差について検討した。1回目〜3回目の各クリアランス値の平均値は58.3、57.8、58.1ml/min/1.73m2で有意差を認めず、3回の平均値との差の中央値は3.77、3.18、3.30ml/min/1.73m2、%表示では7.96、7.07、7.01%であった。1回目と2回目の平均値では1.65、1.89ml/min/1.73m2、%表示では3.45、3.85%であった。ブランク採血・採尿を省き、2回平均Cin値によるCin改良法では採血・採尿を各4回より2回へと半減させ、検査時間を120分より90分に短縮可能である。本結果をもとに、高雄、サンフランシスコ、名古屋で3回の会議を行い、プロトコールを決定した。 日本では平成18年度より合計100例のCin検査を行った。韓国では、延安大学のHo Yung Lee教授らと韓国におけるCin検査を申請した。Cin検査に用いるインリードが本邦でのみ承認・販売されていることより、まずは医師主導型治験を行う必要があり、本研究を韓国における医師主導型治験として申請し承認を得た。併せて倫理委員会の承認を得た。台湾では、高雄大学の、Hung-Chun Chen教授らと台湾におけるイヌリンクリアランス検査を申請した。同様に医師主導型治験を行うよう指導があり、本研究を台湾における医師主導型治験として申請し承認を得た。併せて倫理委員会への申請を行い、承認を得た。 イヌリン検査用試薬、並びに溶解用ドライバスなどを提供し、韓国、台湾でのイヌリン試薬調整、採血・採尿、点滴に必要な物品を韓国・台湾に輸送した。 国内の症例は集積されており、韓国、台湾でCin検査結果を集積、解析してGFR推算式を作成する。
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