研究課題/領域番号 |
18406033
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
朝長 万左男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
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研究分担者 |
波多 智子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10346968)
岩永 正子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00372772)
陣内 逸郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70162823)
松田 晃 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10219438)
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キーワード | 内科 / 臨床 / MDS / 国際比較 |
研究概要 |
1.研究の目的 我々の目独共同研究により認められた日本とドイツの不応性貧血の差異がアジアと欧米の民族差によるものかどうかを中国との共同研究によって明らかにする。 2。形態学的診断の標準化 日本からは長崎大学と埼玉医大、中国からは蘇州大学附属第一医院、北京協和医院、復旦大学崋山病院、浙江大学病院が参加し、日本症例131例、中国症例265例について検討した。2005年10月中国蘇州大学附属第一医院、2006年10月長崎大学、2008年5月中国蘇州大学附属第一医院にて合計3回の合同カンファレンスを行った。両国の診断基準の統一を確認するために、両国から持参した症例(FAB-RA:50例、AA:10例)について、お互いに診断した。日中両国の検鏡者における形態学的診断の一致率は98.3%であった。また、FAB分類を用いた診断一致率は94%(p<0.001)と高率であった。従って両国の診断が一致し、その後の臨床像を検討することが可能であると判断した。 3.臨床検査データ、予後の比較 日本と中国のFAB-RA患者を比較すると、中国の方が、日本例よりも好中球とヘモグロビンが有意に減少し、二血球以上減少している割合が多かったこと以外には有意差を認めなかった。次に、ドイツを加えた3国間で比較を行った。ドイツ症例に比べ、日中の症例は有意に診断時年齢が低く、血球減少の程度が強い、二/汎血球減少の割合が多い、正常核型が多い/5q-の割合が少なかった。血球減少の予後に対する影響が弱く、日中はドイツよりOS(75%OS;日本:52ヶ月、中国:38ヶ月、ドイツ:16ヶ月)/LFS(90%LFS;日本:92ヶ月、中国:到達せず、ドイツ:23ヶ月)が良好であった。共通の診断基準をもって診断した、日中の不応性貧血の臨床像は類似しており、ドイツとは異なっている。アジア人と欧米人との人種差があることが確認された。
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