研究課題
今年度は、上海、北京、パリ、ロンドン、シンガポール、バンコク、ジャカルタの7都市を訪問し、在外公館邦人援護担当官および医務官を対象として邦人精神科救急事例の受療行動に関する半構造化面接を継続した。これに加えて、在留邦人コミュニティにおける邦人精神保健専門家ネットワーク構築を支援するとともに、海外での大規模緊急事態に巻き込まれた邦人および援護者のトラウマ関連障害への対処について職際的な調査研究を進めた。これらの知見の一部は、平成19年4月に開催されたJSTP+WPATPS+WACP joint meeting in Kamakura、同年9月の第15回日本精神科救急学会、平成20年3月の第15回多文化間精神医学会などで発表した。また、平成19年9月に研究代表者が主宰した第13回多文化間精神医学ワークショップでは、主会場の盛岡と副会場のシンガポールとをテレビ電話で結び、2都市間の討論を行った。このワークショップのねらいの1つは、海外邦人コミュニティ支援を通した精神科救急事例化の予防であり、ワークショップ開催前より在シンガポール邦人精神保健専門家によるネットワーク作りを継続的に支援した。なお、ジャカルタとはテレビ電話を介した日本との診療連携の方法について実験的な検討を続けている。特筆すべきこととして、昨年度在ニューヨーク日本総領事館で開催した在留邦人精神保健専門家連携会議に続き、今年度は在タイ日本大使館および在フランス日本大使館において同会議を開催し、本調査の結果に基づいて邦人精神科救急事例に対する国内外の診療連携の可能性について協議した。
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臨床精神医学 37・3
ページ: 323-325
こころと文化 6・2
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ページ: 149-155
労働の科学 62・7
ページ: 8-11
海外勤務と健康 26
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産業精神保健 15・2
ページ: 85-88