研究課題/領域番号 |
18406036
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
新美 照幸 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60291762)
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研究分担者 |
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (90183532)
香月 武 愛知学院大学, 口腔先端科学研究所, 研究員 (70038868)
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キーワード | ベトナム社会主義共和国 / 枯葉剤 / 先天異常 / 口唇口蓋裂 / 絨毛癌 |
研究概要 |
ベンチェ省の人民委員会、医療局、児童保護育成委員会、グエンディンチュー病院の関係者と事前の打ち合わせを行い、平成20年12月にベトナムへ渡航。先天異常に関しては、現地に「先天異常プリベンションモニタリングセンター」が設立されたのを受け、同センターにおいて口唇口蓋裂をはじめとしたマーカー奇形に関しても、調査対象にすることを依頼した。2008年出生分については、総出生数6390名(男児:3263名、女児:3127名)中、マーカー奇形は全体で47症例であり、発現率は0.74%であった。この結果については、2009年6月の日本先天異常学会で発表予定である。また、昨年度調査した、各年の口唇口蓋裂児出生率を分析した結果については、枯葉剤第2、第3世代と言われる人の口唇口蓋裂発生頻度の低減を意味するものであり、2008年5月の日本口蓋裂学会にて発表した。 絨毛性疾患に関しては、ベンチェ省グエンディエンチュー病院における2008年の調査では、分娩数は6,055件、胞状奇胎患者は19人で、18人は治癒、1人は続発症のためTuDu病院へ紹介されていた。過去10年間の分娩数、胞状奇胎患者数、続発症患者数の調査から得られた結果では、年間分娩数は約3倍に増えているが、胞状奇胎発生率は1000分娩あたり10.6から3.7に、続発率は23.5%から5%と低下していることが明らかとなった。また、経産数の低下に伴い、母体平均年齢は29.8歳から27.4歳に低下していた。発生率および続発率の低下は、我々の胞状奇胎および続発症に関する教育の効果のほかに、日本や欧米と同様の傾向であったことから、医療の発達によって妊娠初期に流産として診断、治療される症例が増えていることや、母体年齢低下が影響していると思われた。今年は最終年度として、患者登録のためにエクセルファイルによるデータ入力指導を行った。
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