長方形を幾つかの長方形に分割したものを、矩形描画という。矩形描画をわずか5m/3bitのみを用いて符号化する手法を設計した。これに、o(n)bitのテーブルを追加することにより、矩形描画に関する様々なクエリを高速に計算できるようなデータ構造も開発した。本手法により、巨大な矩形描画を、少量もメモリに格納しているにもかかわらず、基本データを高速に取り出すことができるようになった。例えば指定した2つの面が隣接しているかどうかや、指定した面が、隣接する他の面の東西南北のいずれの方向にあるか、等である。 また、4連結極大平面グラフや、一般の平面グラフを高速に、抜けも重複もなく列挙するアルゴリズムを開発した。一般に列挙アルゴリズムの出力は膨大な個数のグラフを出力するので、出力を効率よく、圧縮する技術が高速化の鍵となる。今回開発した、2つのアルゴリズムでも、対象のグラフを効率よく、圧縮する符合を開発している。 これら、および関連する結果を2007年度は、6件の国際会議論文として発表できた。また、一部の手法の簡易実装し、おおまかではあるが、その性能を計測することができた。この部分については今後の研究でも継続していく予定である。
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