研究概要 |
本研究の目的は、グラフの連結度とその応用に関する研究を行うことである。具体には、解析(所与のグラフの連結度を求めること)、抽出(所望の連結度を持つ部分グラフの抽出)、構成(所望の連結度をもつグラフの構成)に関する理論的研究とアルゴリズム設計、および応用を意識したオンラインアルゴリズム、分散・並列アルゴリズム等の実用アルゴリズムの設計である。今年度の成果としては、以下の通り研究論文7件と、世界トップレベルの研究者を国内外から数名ずつ招聘し、グラフの連結度に関する情報交換会開催がある。 1.構成に関して:(1).各点の辺次数上限が設定されている場合に、所望の辺連結度または点連結度を持ち、かつ辺数が最小のグラフ構成法に関する研究(1件)。(2)付加辺に重みがある場合に、コスト総和最小で所望の辺連結度または点連結度を満すグラフを構成するための高精度で高速なアルゴリズム設計に関する研究(1件)。(3)(2)のアルゴリズムなどで利用されているグラフの最大重みマッチング問題解法の高速化に関する研究(1件)。(4)グラフの最短経路木を、入力グラフの辺重みが変化した後に高速に再構成するオンラインアルゴリズム設計に関する研究(2件)。(5)平面グラフ抽出法の高精度化(所望の連結度をもつ部分グラフ抽出に関連)(1件)。(6)スタイナー木(指定点をすべて含み、かつ辺重み総和が最小の木)の効率的構成法に関する研究(1件>。 2.連結度に関する研究セミナー: ・実施日時、実施場所:2007年1月31日(水)〜2月2日(金)広島大学学士会館内セミナー室 ・国内外からの招聘研究者:伊藤大雄(京都大学助教授)、永持仁(京都大学教授)、牧野和久(東京大学助教授)、Tibor Jordan(Assistant Professor, Eotvos Lorand University, Hungary)Kiraly, Tamas(Research Assistant, Eotvos Lorand University, Hungary. この他に、福永拓郎(京都大学助手)、間島利也(広島国際大学講師)が参加。
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