研究概要 |
サービス指向システムは,すでにネットワーク上に分散して存在するサービスを連係させることにより動作するシステムである.すでに存在するサービスを利用するためには,まずその利用したいサービスを探さなければならない.欲しいサービスは,開発者が開発したいシステムの機能を実現するために「何か」を担う.つまり,開発者は実体としてはサービスを検索しているが,検索をしている最中はその「何か」を検索している.この「何か」というのは要求仕様の中に記述されている.本研究では,要求に着目することによりサービス指向システムの開発を支援する環境を構築することを目的とする. 平成18年度は,サービス指向システム開発環境の設計を検討した.開発環境は検索部とリポジトリ部からなる.リポジトリ部には,要求やワークフローなどが格納されるが,それらの間の関連の定義を検討し,さらにその検討した関連に基づき,リポジトリの設計を検討した.また,検索部は,研究代表者が以前行った要求の検索手法をベースに検討した.その際,従来開発した環境は,サービス指向システムを対象にしていなかったため,その差異に着目した.検索時の基本手順は,まず,ユーザがキーワード等を入力することにより,合致する要求をシステムが取得する.取得した要求をベースに関連するワークフローやサービス情報を取得する.最終的に,サービスを取捨選択し,連係を定義することにより,サービス指向システムを作成する.
|