研究概要 |
平成19年度の研究では,形式仕様に基づくプログラムテストの基本理論と有効な方法を確立し,その方法の支援ツールのプロトタイプを構築した。具体的には,次の研究成果が挙げられる。第一,事前条件と事後条件で表した操作の形式仕様は,「機能シナリオ式」(functional scenario form)へ変換されられるなら,その仕様によって適切なテストケースを生成することができるという観点を確立した。第二,操作仕様の機能シナリオ式によって具体的なテストケースの生成方法を開発した。一つの機能シナリオのguard条件を満たすテストケースを生成すれば,そのシナリオを実装したプログラムパスが存在しているかどうかを確認することができる。ただし,そのプログラムパスには,欠陥が存在しているかどうかを徹底的に検証するには,そのシナリオのguard条件で定義された入力値集合を更に分けって,各子条件によってもっとテストケースを生成することができる。第三,仕様とプログラムパスとともに基づく効率なテスト方法を提案した。この方法では,入力値の関係によってテストケースを自動的に生成し,生成されたテストケースから仕様を満たすテストケースが選ばれ,そのテストケースでプログラムをテストする。第四,形式仕様とプログラムソースコードと共に把握できない場合は,そのプログラムをどのようにテストするのかという問題点が解決された。その解決方法としては,プログラムのインタフェースシナリオを簡単なテストケースで発見し,そのシナリオによって形式仕様を作成する。作成された仕様によってテストケースを生成する方法である。第五,形式仕様記述言語SOFL(Structured Object-Oriented Formal Language)で書いた仕様に基づくJavaプログラムをテストする方法の支援ツールを開発した。本研究の結果は,形式仕様記述技術を企業に導入することとその技術を有効に使用されるには,効果的な支援技術になる。
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