現在、ソフトヴェアからサービスへの視点の移行に関心が高まっている。本研究では、業務の専門家に理解容易なフォームの概念を中心に置き、フォームの定義と、そのフォーム間の変換方法の定義によってシステムの仕様を記述する方法を研究開発し、業務の専門家主導での短期開発と継続的保守を実現することを目的とした。 最初にXSLTを用いるフォーム変換方法を研究試作した。XML形式の個人別履修情報と試験時間割表から個人別試験時間割表を出力するシステムを例題として、エンドユーザ向けにXSLT記述を支援するビジュアルツールを開発した。 次に、エンドユーザにXMLやXSLTの構造を一切意識させない方法として、入カフォームと出力フォームの項目間の関係をマウス操作だけで定義する方法を考案し、図書管理、商品販売、不用品交換サイトの各システムに適用して、その実用性を確認した。特定の入出力フォームに関して定義した変換手順を用いて、同じ形式の入出力フォーム間の変換を自動実行する方式において、ビジュアルフォーム同士の直接的な変換、ビジュアルフォームと抽象フォームの間の変換、さらにデータベースアクセスを伴う変換のいずれの場合においても、その有効性を確認した。特にデータベースはXMLDBを想定し、エンドユーザ向けにXMLDB操作用スクリプト言語を開発した。
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