研究課題/領域番号 |
18500033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山田 進 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (80360436)
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研究分担者 |
町田 昌彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (60360434)
大橋 洋士 慶應大学, 理工学部, 助教授 (60272134)
今村 俊幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60361838)
松本 秀樹 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (40209648)
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キーワード | ハイパフォーマンスコンピューティング / 並列計算 / 地球シミュレータ / 固有値計算 / ハバードモデル / フェルミ粒子 |
研究概要 |
ハバードモデルのハミルトニアンに対する高速固有値計算アルゴリズムに、共役勾配法の理論に基づく固有値計算アルゴリズムを採用し、前処理として計算過程で得られる近似固有値を利用する手法を提案した。これにより、これまで伝統的に利用されてきたランチョス法と比較し、4〜5倍高速に計算できることを見出した。この成果は計算工学会論文誌に掲載にされた。このアルゴリズムを利用し、実際に1000億次元を超えるハミルトニアンの基底状態を地球シミュレータの512ノード(4096プロセッサ)を利用して約1分で計算することに成功した。 また、実際に開発したアルゴリズムを利用して5×5サイトの2次元ハバードモデルの300億次元のハミルトニアンの基底状態を系統的に計算し、フェルミ粒子分布を求めたところ、実際の高温超伝導体の磁束コア内などで頻繁に観測されているチェッカーボード状の密度分布になることを世界で初めて確認した。この結果はPhys.Rev.Aに掲載された。 上記の計算科学及び物理計算の成果を、京都大学数理解析研究所で開催されたRIMS研究集会「数値シミュレーションを支える応用数理」において「量子多体問題における自由度の壁とそれを越える並列対角化アルゴリズムの開発:地球シミュレータ上での超並列量子計算の現状」と題して招待講演を行った。また、アメリカで開催された国際会議「Supercomputing 06」において、上記の成果をまとめた会議論文がハイ・パフォーマンス・コンピューティングの分野で最も権威のある賞の1つのである「ゴードンベル賞」の最終候補に選出された。
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