研究概要 |
本年度の研究実績は,以下の通りである。 (1)論理診断に基づく論理再合成システムの構築 本研究のベースとなる実験システムのフレームワークをソフトウェアで構築した。回路に含まれる設計誤りを自動的に修正する論理診断手法に関して,大規模な回路に含まれる多数の誤りに対応する手法を考案するとともに,それを応用することで,LSIの設計変更コスト削減を目的とした論理再合成システムを開発した。 (2)診断対象回路とドントケア抽出部作成 設計変更発生時に,回路全体の中から修正する必要がある部分を組合せ回路として抽出するソフトウェアを構築した。ここで抽出された回路が,論理診断の対象となる。もとの回路から診断対象回路だけでなく,ドントケア条件をも抽出することで,回路規模を削減しつつ修正解の品質を保つ方法について考案・実装した。 (3)ドントケアに対応した論理診断部作成(沼) (2)で抽出したドントケア条件を利用するため,論理再合成システムで採用する論理診断手法に対して改良を加えた。ドントケアは仕様の曖昧さを表現しているため,回路修正の自由度が大きくなるが,本手法を実現することにより,論理再合成システムが提示する修正解の品質を向上させることが可能となった。
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