研究課題
基盤研究(C)
本年度は、ネットワークとその構成要素の安全性と高速低電力性とを向上する上で、機械学習が有効なアプローチであること、および、VLSI技術が活用できることについて、多様な側面から研究した。また、組み込みネットワーク機器のコスト低減、P2Pやマルチキャストなど新しいネットワークアーキテクチャの最適化や信頼性向上について研究した。研究成果に基づく有用な発明を特許出願により開示した。1.学習論的手法によるネットワークフロー予測と高速低消費電力処理(1)ニューラルネットワークモデルによりネットワークフローが予測可能であることを実証した。(2)学習論的アプローチがネットワーク機器の電力低減に有効な例として、フロー予測に基づき、無線ネットワークの消費電力が低減できることを示した。(3)パーセプトロンを用いた新しい分岐予測手法を提案した。本手法は無駄なサイクルを削減できるので、セキュリティ処理やマルチメディアデータ処理を含む各種の処理において高速低消費電力実装に役立つ。2.VLSI技術の活用によるネットワークの安全性向上とネットワーク処理の電力低減(1)真の乱数生成回路を処理回路と同じチップ上に実装するための新しい知見を実験により得た。たとえば、乱数マスクが暗号回路の攻撃耐性を高めることが知られており、この知見は安全なネットワーク処理を実現するために有用である。(2)セキュリティ処理で有用な数百桁から数千万桁の数の演算の高速低消費電力VLSI実装を行なった。(3)マルチメディアデータ処理で有用なウェーブレット変換の低電力VLSIアーキテクチャを提案し評価した。3.組込みネットワーク機器の低電力化、P2Pネットワークの処理最適化、高信頼性マルチキャスト(1)インターネット通信機能が組み込まれる機器の低電力性を向上させるため、プロトコルの低コスト実装を行なった。(2)P2Pネットワークの各ノードに、ノードの性能に応じた処理を課すことにより、ネットワーク全体の性能コスト比を最適化する手法を提案し評価した。(3)インターネットを介した安全かつ低コストのコンテンツ配信に有効なマルチキャストの信頼性向上と輻輳制御について研究を行ない、成果をあげた。
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2007年暗号と情報セキュリティシンポジウム概要集
ページ: 204
The 2nd JILP Championship Branch Prediction Competition (CBP-2) in conjunction with The 39th Annual IEEE/ACM International Symposium on Microarchitecture,Orland,Florida
ページ: 11-16
電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会) <IN2006> 〔98〕
ページ: 55-60
Proc.The 4th IASTED International Conference on Circuits, Signals, and Systems, San Francisco
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インターネットコンファレンス2006論文集
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電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) <126> 〔10〕
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電子情報通信学会技術研究報告(無線通信システム研究会) <RCS2006> 〔122〕
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並列/分散/協調処理に関する『高知』サマー・ワークショップ(SWoPP高知2006)
ページ: 31-36
Proc.the 2nd IEE International Conference on Intelligent Environments, Athens <2>
ページ: 185-191
マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2006)
ページ: 369-372
ページ: 469-472
SACSIS 2006 -先進的計算基盤システムシンポジウム
ページ: 307-314