研究概要 |
従来,ネットワークの制御,監視,診断の機能(NAI)を用いるためには,NAIの一連の動作手順をルール(フィルタと呼ぶ)として設定する.これらのフィルタは一般に計算機プログラムと同様に逐次的に解釈実行されるため,ネットワーク管理者は,NAIの動作手順を詳細に追いかけて,その妥当性を検証しなければならない.ネットワークの規模が大きくなり複雑化するに従い,これらの作業も複雑になる.また,多数の管理者の共同作業となるため,複数の装置での設定の矛盾や設定のもれが生じる場合がある.このような問題を解決するため,本年度は以下の研究に取り組んだ.(1)フィルタ間の空間的関係を用いて,複数のフィルタの組み合わせにより生じる設定誤りを検出する手法を考案し,実験システムを構築して有効性を評価した.(2)フィルタ間の空間的な関係のうちトポロジーのみを用いて設定誤りを求める方式を考案し従来方式と比較して有効性を確認した.(3)前記トポロジーを用いて,時限指定のあるフィルタを含むIPパケットフィルタリングの設定異常を診断するシステムを考案し,実現方式を設計した.以上の結果を,論文誌論文1編,国際会議論文1編,その他論文4編にまとめて発表した.
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