研究分担者 |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40273396)
柴田 直樹 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (40335477)
村田 佳洋 広島市立大学, 情報科学部, 准教授 (40362834)
木谷 友哉 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40418786)
|
研究概要 |
平成19年度には,モバイルアドホックネットワーク上でマルチキャスト木を求める方式を主に研究した。一般に,送信遅延,帯域幅等の複数の制約を満たし,かつ,コスト最小のマルチキャスト木を求める問題はNP困難なので,コスト準最適な解を効率的に求める近似手続きを開発することが現実的で,実用上も重要である。本研究では,近似手続きとして遺伝的アルゴリズムを用いた。この利点として,準最適な解を求める過程で,複数の解候補を常に保持しており,ネットワークトポロジーの変化に合わせマルチキャスト木を動的に再構成する際,その解候補を利用すれば,最初から解を再計算することなくコスト準最適な解が効率的に求められることが期待できる。さらに,ネットワーク全体のトポロジー情報を1つのノードに集めるような集中制御方式では,通信コストや計算負荷の点で大規模なネットワークに適用するのは現実的ではない。そこで,ノードの全体集合を地理的に近いもの同士のクラスタに分割し,各クラスタ内でコスト準最適なマルチキャスト木を求め,各クラスタから代表を選び,それらの代表集合をつなぐコスト準最適なマルチキャスト木を求めるという2段階に分かれた分散制御方式の手続きを開発し,スケーラビリティを高める工夫を行った。本研究での手法をネットワークシミュレータ上に実装し,既存手法の一つであるAQMと比較し,本手法の方が優位であることを確認した。
|