研究概要 |
本課題では,従来型の映像やサウンドメディアに加えて,仮想物体に触(さわ)って操作することが可能な触力覚インタフェースを統合化することで,現実感のあるユビキタス複合現実空間(Ubiquitous Mixed Reality: UMR)を構築することを目的として研究開発を行った。平成19年度は,平成18年度に研究開発を行った要素技術のシステム化,実ネットワークを用いた評価実験・考察とシステムの改善,および研究の総括を行った。 1.日韓超高速ネットワークを用いた実証実験,評価,およびシステムの改善 本学と研究協力大学(九州大学,韓国科学技術研究院(KIST,ソウル市))の3研究拠点を,ネットワークで接続した実験環境を構築し,平成18年度に開発した協調作業システムおよび遠隔教示シミュレータを用いた実証実験を行った。特に,データ転送時の遅延,ゆらぎ,パケット損失の頻度や大きさが,利用者の感じる触力覚メディアの操作性と利便性にどのように影響するかについてデータを収集し,開発した手法の検証とシステムの改善・再評価を実施した。さらに,本課題で新たに開発した「推測航法に基づく安定な触力覚メディアの遠隔共有機能」に関して,従来型システムに対する機能・性能上の優位性について実験・検証を行った。 2.研究成果の考察と公開および総括 1の実証実験の結果と考察内容をまとめて,EvoInteraction2007国際会議(2007年4月),SPIE国際会議(同9月),IEEE SMC2007国際会議(同10月)等の国際会議や国内学会で発表するとともに,国際学術論文誌に成果を投稿して研究を総括した。
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