研究課題
本研究は、組合せ最適化計算を分散環境で実行する際の計算技術を開発するものである。近年のネットワーク技術の急激な進展に伴い地理的に分散した計算資源を共有する計算GRIDの研究開発が活発に行われている。本研究では計算GRIDのような大規模分散システム上の地理的に離れた計算資源を活用して分散並列処理する際の問題点を洗い出し、効率の良い計算を行うための手法を研究開発することを目的としている。平成19年度の成果は以下の通りである。(1)探索空間情報を考慮したメタヒューリスティックスの分散並列処理非同期型の並列タブーサーチの協調処理手法を開発し、数種類の異なる形状を持つ解空間を用いて、評価実験を行った。これにより、提案手法は協調を行わない従来の手法と比較して優れた探索能力を持つことが示された。(2)大規模分散システムにおける自律分散最適化並列遺伝アルゴリズムにおけるネットワークトポロジーと通信遅延の影響の調査を行った。評価実験で分散システムにおける計算ノードの能力の不均一、膨大な通信遅延の存在、ネットワークトポロジーは並列遺伝アルゴリズムの実行過程に多大な影響を与えることが分かった。また、ライントポロジーにおいては、不均一な計算能力を持つノードの整列の仕方によって、解の改善速度、解の品質に影響を与えることが分かった。(3)応用農業生産システムにおけるスケジューリング問題、およびバイオインフォマティックスにおける配列解析問題に対するメタヒューリスティックス計算法を開発し、性能評価を行った。バイオインフォマティックスのマルチプルアラインメント問題においては、従来研究と比較して性能が顕著に改善できた。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Agricultural Information Research 16
ページ: 188-195
Proc. of IEEE Congress on Evolutionary Computation
ページ: 3886-389
Optimization and Systems Biology, Lecture Notes in Operations Research 7
ページ: 309-323