研究課題/領域番号 |
18500061
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
杉山 久佳 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20264799)
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研究分担者 |
辻岡 哲夫 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40326252)
原 晋介 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80228618)
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キーワード | 災害救助 / 自律移動ロボット / アドホックネットワーク / マルチエージェント / USAR |
研究概要 |
平成19年度の研究において、被災者発見システムを構成する各ロボットに対して遠隔給電を行うことを可能にする低周波磁気共振機構の基本原理を確認し、さらに複数ロボットによる他ロボットに対する協調的給電システムの効果を確認することができた. 低周波磁気共振機構とは、送電側コイルが比較的低周波の振動磁界を発生させ、この振動磁界に反応した受電側コイルに対して電力を送電する遠隔送電システムである.振動磁界の周波数は、電磁波による電力の散逸が生じない程度に低く設定するので、理論的には100%の送電効率を得ることができる.しかしながら、送・受電側の両者のコイルにおいて大きな電流が流れ、この結果コイル中の抵抗が電力を消費するので必ずしも高い送電効率が得られないという問題点がある.例えばMITによって行われた実験例では、約10MHzの周波数と直径25cmのコイルを用いた2mの距離の電力伝送において約40%の電力伝送効率が報告されている. 低周波磁気共振機構の被災者発見システムへの応用を目的とした今年度の研究結果は、以下の2点である。(1)磁気共振を利用した従来の調相結合トランスに類似の回路モデルを用いて低周波磁気共振機構の解析を行い、小型のロボットに搭載することを想定した直径10cmのコイルを用いて5Wの非接触電力送電を行うシステムの設計値を検討した.この結果、10KHzの共振周波数と26cmのコイル間距離において目的とする電力伝送が可能となり、コイル内の消費電力は伝送電力の10%以下となることがわかった.(2)複数のロボットが協調して他のロボットに給電するシステムの基礎検討として、2台のロボットが1台のロボットに遠隔給電を行うシステムの検討をおこなった.この結果、送電ロボットの配置を並列型とした場合に,直列型に較べて効果的な送電が可能となることがわかった.
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