研究課題
膨大な数のピア(process)から構成されるP2P(peer-to-peer)システムでは、各ピアがシステム内の資源オブジェクトを見つけ操作を行なえねばならない。P2Pシステムの大規模性(scalable)、開放性(openness)から、各ピアがネットワーク内の全てのオブジェクトの所在を把握することは困難である。このために、各ピアが直接通信を行なえる知人ピア(acquaintance)を通じてシステム内の状態を把握する必要がある。ピアがオブジェクトの最新の情報を持ち、正しく動作しているとき正しいとする。全ての知人ピアが正しいとは限らない。各ピアは、どのように知人ピアを信用できるかを判断せねばならない。昨年度の研究で新たに定義した、主体的と客観的の二種の信用可能性(trustworthiness)概念をより詳細にし、新たに自信度(confidence)の概念を定義した。主体的信用可能性(subjective trustworthiness)は、知人ピアとの直接の交信により、ピアノ要求を満足する応答を多く返す場合は高いものとなる。これまでのP2Pオーバーレイネットワークでは、目標オブジェクトの所在を求める多くの検索アルゴリズムが研究されてきている。本研究では、所在に加えて、オブジェクトを操作権限の委譲も考慮している点が新規である。一方、客観的信用可能性(objective trustworthiness)は、知人ピアは他のピアからどのようにみられているかを示している。ここでは、ピアの主体的信用可能性にどの程度自信を持つかにより、幾つかの方式を提案し、評価を行なっている。ピアが最も自信を持つ場合は、自分からみた信用可能性、即ち主体的信用可能性が用いられる。また、ピアが最も自信がない場合は、ピアは、自分の信用可能性を用いず他のピアの評判、即ち客観的信用可能性を用いるものである。この両極端な場合の中間に、幾つかの主体的信用可能性と客観的信用可能性の組み合わせがある。これらについての考察と評価を行なった。研究成果は、ACM Transaction(TAAS)等のトップレベルの国際論文誌、国際会議に発表し、評価を得ている。
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
ACM Transaction on Autonomous and Adaptive Systems(TAAS) 2
ページ: 11:1-11:26
Journal of Simulation Modelling Practice and Theory 15
ページ: 426-464
International Journal of Cluster Computing(IJCC) 10
ページ: 81-93
International Journal of Business Intelligence and Data Mining 2
ページ: 227-248
IPSJ Jounlal(情報処理学会論文誌) 48
ページ: 42-57
International Journal of High Performance Computing and Networking(IJHPCN) 5
ページ: 62-74
Service Oriented Computing and Applications(SOCA) 1
ページ: 213-222
Journal of Information Systems and e-Business Management(ISeB) 6
ページ: 5-24
http://www.takilab.org/