研究課題
基盤研究(C)
ユビキタスネットワークのデバイス間通信方式として、アドホックネットワークが注目されている。アドホックネットワークは、無線をベースにした通信技術であるため、安全性について有線ネットワークよりも課題が多い。また、通信路の信頼性についても、有線ネットワークに比べて劣っている。本研究の目的は、安全で信頼性のあるアドホックネットワーク通信技術を確立することにある。また、その技術はアプリケーションに適用することで真の有効性が判断できることになる。我々は、アドホック・パーソナルエリアネットワーク(PAN)上の情報流通制御に関する研究プロジェクトを立ち上げている。日常の生活において利用者が持つ携帯端末が「口コミ」形式で情報の受信や伝播を行い、必要な情報を大量の情報から選択的に受信するものである。今年度は、パーソナルエリアネットワークの参加者が、互いに相手の信頼度を評価する「評判システム」についての研究を行った。評判システムによって推定された相手の信用度は、情報を公開するレベルやパケットの配送経路の決定を行うなどの安全なシステム構築のための基盤となる。特に、最尤推定と呼ばれる確率的な推定方法を使った既存の手法に対して、更に結託攻撃に対する耐性を持たせることに成功した。最尤推定を使わない評判システムとしては、Googleなどに使われているPage Rankingなどがあるが、信用度の値に対して相対的な意味しか与えることができなかった。最尤推定をベースにすることで、信用度を判定する情報量も少なくても十分な精度の推定値が得られ、信用度に確率的な意味を与えることが可能となった。また、我々の提案によって結託攻撃に対する耐性も高まり、パーソナルエリアネットワークでの利用に実現性が見えてきた。この成果は、国際会議CISIS2007において報告される。
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情報処理学会第69回全国大会 6V-2
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情報処理学会第69回全国大会 3U-6
proceedings of the Fifth International Conference on Complex, Intelligent and Software Intensive Systems (CISIS 2007)
ページ: 6