研究課題
我々を取り巻く社会は、今までの物質的価値を重視する社会から、生活の質を重視し自己実現を求める社会へと変化している。このような社会変化を反映して、ディジタルコンテンツに関する現状は、高いリアリティの3Dグラフィクスなどを提供するものだけでなく、エクサテイメントなど新しいゲームコンテンツの分野を創出した。しかしながら、これらゲームにおいても、製作者による既成のコンテンツがユーザに提供されており、個人が好むコンテンツを自動生成する技術が確立するまでの道のりは依然として遠く、更なる研究が必要である。そこで、申請者はその初めのステップとしてサッカー映像に焦点を絞り、個人が自由に選択した映像ソース(コンテンツ作成の際の参照映像をさす)から、個人の経験と志向に基づくコンテンツを自動生成する「ユーザ主導型コンテンツ生成手法」の研究構想に至った。本研究の実施は、放送コンテンツの単なる提供者とは異なり、さらに、現状の既成ゲームとも異なる個人の思考に合った娯楽型コンテンツの自動生成システム実現の基礎を築くものである。このような研究目的の下に、本年度は次の研究を行った。2006年度の研究成果として得られたモデルに基づいて、2007年度は、サッカーの試合内容の定量値(個人プレイヤーの貢献度の定量化やチーム優勢度)を実現するための基礎技術を構築した。この手法は、2006年度の提案のグループ戦術に基づく選手のクラスタリング手法にネットワーク解析手法を導入し、グループ戦術の抽出の基礎を構築したものであった。今年度は、最終年度として、研究目的である、娯楽型コンテンツの生成のために、従来の味方チームの選手が形成する多角形の面積やゴール付近に存在する選手の有無だけでなく、効果的なグループを構成するチームが優勢であることを示す新たなモデルを実現し、試合展開における重要選手を抽出可能とした。これにより、放送コンテンツや既成ゲームとも異なる、個人が映像を理解するための、コンテンツが自動生成可能となる。その一例として、2006年度実現の手法を研究代表者のホームページにて公開している。今後は、選手の技術力を判断できる手法に拡張し、さらに娯楽性を増すだけでなく、人間の行動を表現する一手法としてライフログ分析への適用を検討する予定である。
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