本年度は、以下の研究を行った。 1.ストリームデータの到着率が動的に変化する環境における、共有ウィンドウ結合処理のスケジューリングを検討した。ストリームデータの到着率が動的に変化する場合、動的にその変化に適応する処埋スケジューリング手法が必要芝なる。そのようなスケジュール手法を考案するため、放送サービスのためのスケジューリング手法RxWを調査し、それをストリームデータの共有ウインドウ結合処理に応用することを検討した。RxWは、データの要求数と要求されてからの待ち時間の両方を考慮したスケジューリングである。それを基にし、ストリーム処理において、従来手法では主にスループットのみに着目していたのに対して、本研究では問合せ処理の成功率とスループットの両方のバランスを保ちながら効率的な処理を可能にする動的なスケジューリング手法の開発に成功した。この成果は現在まとめられ、発表する予定となっている。 2.ストリーム処理の幅広い応用分野の調査として、本年度は主にセキュリティ、P2Pシステム、ならびにSMTプロセッサ処理についての調査を行った。セキュリティに関してはデータプライバシーの扱い、P2Pシステムについてはデータの複製の扱い、SMTプロセッサ処理についてはスケジューリングの技術について調査した。これらについては来年度以降引き続き調査を進めるとともに、成果をまとめて現在発表のための準備を進めているところである。またそれ以外の応用についても調査・検討し、ストリームデータ処理の幅広い応用分野について考えたい。
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