交付申請時に記載した内容に加えて平成20年度は、大規模表形式データの可視化の具体的な題材として、数千件規模の新聞記事および写真を対象とした可視化を行った。新聞記事や写真のようなメディア情報は増加の一途をたどっており、その探索は急速な勢いで難しくなっている。このようなメディア情報に関する対話的探索手法を確立したことは、本研究において一定の意義があると考えられる。また本研究の題目にもある大規模表形式データを、階層型データに変換して可視化する、という本研究のアイディアが有用であることを示す事例が増えたことにも、一定の意義があると考えられる。これらの研究成果は、それぞれ日本語雑誌に採録・掲載されるとともに、ロンドンで開催された著名な国際会議でも講演された。 平成20年度はそれに加えて、新聞記事の可視化の応用として、論文データの可視化を試みた。いままでの事例では入力データを表現する数値群を縦横2次元の表で記述していたものに対して、論文データは「キーワード」「論文」「著者」の3次元情報を表にしたものであり、可視化アルゴリズムの観点でも交付申請時に記載した内容よりさらに発展したものであると考えられる。論文データの可視化は平成21年度にも続行する予定であり、これに関してさらなる成果が期待される。
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