研究課題
画像用電子透かしは、画像中に著作権者などの情報を埋め込み、検出する技術であり、画像の著作権保護、流通管理に重要な役割を果たしている。画像用電子透かしの本質的な技術課題の一つに、幾何変形を受けた画像からの情報検出があげられる。その際、画像内に埋め込まれた透かしの位置が幾何変形の影響で変わることが問題で、透かし位置を単純に探索すると計算量が膨大となり、実用性が失われる。従来研究では、微少ランダム歪みへの効率的な対応方式および、スケーリング、回転、シフトへの効率的な対応方式が提案されているが、これらの4種類の変形全てに対応する方式は提案されていない。本研究では、4種類全て及びその任意の組み合わせへの効率的な対応を目標とした。18年度に開発した方式は、微少ランダム歪みを受けた画像から探索無しで情報を検出可能、スケーリング、回転、シフトについては透かし位置を探索するが、スケーリングと回転、縦方向シフト、横方向シフトを独立に探索できるので、計算量の組み合わせ的爆発を回避することができる。19年度は、18年度の方式を拡張し、微笑ランダム歪みとシフトに探索無しで対応、スケーリング、回転を含む一般のアフィン変形に限定された探索で対応可能とした。上記の電子透かしを実用化するにあたっては、単に幾何変形に対応するだけでなく、透かし埋め込みに伴う画質劣化の防止および、検出情報が埋め込み情報と同一であり偽造・改ざんされていないことの保証が重要である。そこで、画像内容に応じて透かし強度を調整することで画質劣化を防止する方法、暗号学的安全性モデルに基づいて検出情報の信頼性を保証する方法を提案、評価とした。
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情報処理学会論文誌 49
ページ: 1387-1401
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Circuits, Systems and Signal Processing 27
ページ: 213-227