研究課題
平成19年度は、昨年に引き続き、従来の分析技法の整理、基礎技術の体系化(概念構成)とソフトウェアの作成を行い、画像色彩処理の基礎技術を確立した。また、いくつかの具体的事例について、確立された基礎技術を適用して分析を行い、その有用性を確認しだ。具体的事例として、共時的な視点から、画家の特徴比較(マチスとピカソ、ゴッホとモネ)を試み、通時的な視点から、近代フランス絵画の様式と配色の複雑さとの関連について調べた。さらに、発展的研究として、配色に関する多面的な研究を実施した。具体的には、シュヴルールの色彩調和論、心理実験による心理量と心理物理量の関係、配色の分類体系の構築、などを行った。上記により、今後の高次の画像色彩情報・美的概念の抽出へと発展が期待される。成果は、論文誌や学会発表をはじめ、国内外のシンポジウム等の招待講演において公表し、高い評価を受けた。具体的な研究実績を時系列として述べる:5月に、国立新美術館において開催された日本色彩学会第38回全国大会において、2件の研究発表を行った。7月に、フランスの学術雑誌「COULEUR、 CIC(Centre d'Information de la Couleur)」(年4回発行)に、研究協力者のM.Albert-Vanel氏との共同研究の成果が論文として掲載された。同じく7月に、昨年に引き続き渡仏し、南仏Poet-Lavalで開かれた色彩団体の会合Academie d'ete de la Couleurにおいて、研究発表を行った。9月に、長野大学が開催した「色彩情報シンポジウムin長野」に招待され、本研究の内容に基づく講演を行った。11月に、色彩科学に関する国内最大の研究シンポジウムである「カラーフォーラムJAPAN2007」において、研究発表を行った。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
カラーフォーラムJAPAN2007論文集
ページ: 173-176
COULEUR, CIC (Centre d'Information de la Couleur) No.170
ページ: 12-17