• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

ユーザ品質指定・オンデマンド型ホームシアター配信システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18500078
研究種目

基盤研究(C)

研究機関富山大学

研究代表者

堀田 裕弘  富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (80209303)

キーワードマルチメディア / 品質評価 / 画像符号化 / ホームシアター / MPEG-2 / S-CIELAB色空間 / 臨場感 / SD法
研究概要

本年度は、以下の2項目に重点的に行った。
1)符号化されたビデオコンテンツに対する「ビデオ品質評価モデル」の開発
S-CIELAB色空間の特徴を考慮した符号化動画像のFull Reference画質評価モデルの構築を行い,その推定精度の検討を行った,評価動画像の品質推定値を求めるにあたり,動画像をフレーム単位で見た場合の静止画像品質を求めた.その際,使用する色空間として,人間の視覚系の空間周波数特性が考慮されているS-CIELAB色空間を用いた.また,フレーム画像内の局部的な画質劣化を考慮するため,画像をブロック分割し,各ブロックに重み付けを行い,フレーム品質の推定を行った.フレーム品質統合には"Worst-samples averaging"を用いた.
次に,フレーム品質から動画像品質を推定するにあたり,評価動画像中に画質劣化などが目立ち画像品質が著しく下がった場合,評価動画像の総合品質が悪い方に引き寄せられる傾向が見られた.このことを考慮するために,"Worst samples averaging"を用い,動画像品質の推定を行った.その結果,動画像によって主観評価値と高い相関を示すパラメータにばらつきが見られた.ほとんどの動画像では55〜70%の間に相関のピークを持つが,画面内の物体の大きさや対象物の動き領域が特に少ない動画像では,パラメータが低い時ほど主観評価値との相関が高く,逆に画面全体に大きな動きが見られた場合では,パラメータが高いほど主観評価値との相関が高いという結果を得た.
2)符号化されたマルチメディア(ビデオ・オーディオ)コンテンツに対する臨場感を定量的に評価できるような「マルチメディア品質統合関数」の開発のための基礎実験
ビデオではHDTVサイズ,オーディオではまず5.1chをカバーできるような客観的なマルチメディア品質評価モデルの開発のための基礎実験として、映像と音響の伝送情報量が臨場感に及ぼす影響を調査するためにSD法を用いた主観評価実験を実施し,その結果を解析した.この際、著作権フリーなマルチメディア素材が市場にはないので,新たに7.1chオーディオマイクを購入し,既存のHDTVカメラを用いて評価素材を撮影・録音し,新規購入したノンリニア編集機により,マルチメディア評価素材を作成した.実験結果より,以下のような知見が得られた.
(1)実験結果データに対して主成分分析を適用した結果,5つの主成分が得られた.(2)この5つの主成分から評価語「立体感」の評価値に対する予測値を得て,評価値を推定したところ,その重相関係数は0.91であった.(3)また主成分分析結果より,5.1chマルチサラウンドホームシアターシステムでは,映像の美しさはもとより,音響の広がりがあることや音響が豊かで澄んでいることなどが,より臨場感を感じる要因であると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] NR Objective Video Quality Assessment Model for Video Contents Delivery Service with IP Network2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu Kawayoke, Yuukou Horita
    • 雑誌名

      The Second International Workshop on Image Media Quality and its Applications(IMQA2007) P-8

      ページ: 147-154

  • [雑誌論文] 大画面表示における観視距離が主観品質に及ぼす影響の解析2007

    • 著者名/発表者名
      阿井浩紀, 柴田啓司, 堀田裕浩
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2007総合大会講演論文集 D-11-21

      ページ: 21

  • [雑誌論文] 色差情報を基にした画質評価モデルの性能評価2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤雅治, 柴田啓司, 堀田裕弘
    • 雑誌名

      第1回イメージメディアクウォリティとその応用ワークショップ(JIQA2006) A7-4

      ページ: 100-104

  • [雑誌論文] Image Quality Evaluation Model based on Local Features and Segmentation2006

    • 著者名/発表者名
      Yuukou Horita, Masaharu Sato, Yoshikazu Kawayoke, Z.M. Parvez Sazzad, Keiji Shibata
    • 雑誌名

      IEEE International Conference on Image Processing(ICIP2006) CDROM

      ページ: 405-408

  • [雑誌論文] S-CIELAB色空間を利用した符号化動画像のFR画質評価モデル2006

    • 著者名/発表者名
      松本寛史, 柴田啓司, 堀田裕弘
    • 雑誌名

      映像情報メディア学会技術報告(メディア工学研究会) ME2006-275

      ページ: 89-92

  • [雑誌論文] 小画面符号化動画像のフレーム品質に基づいたNR画質評価モデル2006

    • 著者名/発表者名
      川除佳和, 堀田裕弘
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会) CQ2006-78

      ページ: 107-110

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi