研究概要 |
情報統合のための新しい情報処理パラダイムである創発開放型情報システムの開発を研究目的としている。初年度(18年度)では課題1,創発による現象マイニング技術の開発、と課題2.協調データマイニングのためのエージェントベース・アプローチ、を主目標に研究を行い、各課題において、次のような研究成果を得た. 課題1では、 (1)大規模なクレジットカード利用情報を対象に、顧客行動のパターンの変化を(不正利用など)を高精度に判別するためのアルゴリズム(ロジスティック回帰とサポートベクターマシン)について実験・検証し、有意な結果を得た。 (2)固体触媒開発のように評価に化学的実験が伴う組合わせ最適化問題を解決するための効果的な情報処理方式について研究を行い、特に触媒反応のように多峰性関数最適化に対する免疫アルゴリズムの有効性を示した. 課題2では、 (3)センサデータベースtinyDBにおける協調質問処理方式の開発を行い、質問処理実行時に頻繁に使用されるノード集合をネットワーク内で判断し,自動的に質問処理を効率化させるようなルーティングを行うアルゴリズムを提案した. (4)P2Pセンサデータマイニングとして、P2P上のユーザ間の情報共有と類似度関係の視覚化のために、各ユーザが保持する楽曲のアーティストとその曲数を特徴量とし,ユーザ間の音楽嗜好の関係構造を可視化するグラフ「Mu-line」を提案した.
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