研究概要 |
本研究課題では,楽曲データを対象としたクラスタリング手法の開発を行なう.特に,楽譜で表現可能な記号レベルの楽曲データを対象とした,組合せ論的なクラスタリング手法の開発を試みる.平成18年度は主に以下の点について研究を行った. 楽曲データベース構築のためのライブラリ開発: 楽曲MIDIデータから,楽譜レベルの情報(音程・音符の長さ)のみを残し,その他のMIDI機器の制御情報等を取り除いた単純MIDIデータを生成し,それらをデータベースに蓄えるためのライブラリの開発・実装を行った. Top-N形式概念抽出アルゴリズムの高速化: クラスタの意味付けや解釈の重要性を考慮すべく提案された,形式概念に基づくTop-Nクラスタ抽出手法を,楽曲フレーズクラスタリングにおいても有効に用いるために,既存の基盤アルゴリズムを改良(高速化)し,予備実験においてその効果を確認した.これに加えて,改良アルゴリズムにおける探索枝刈り規則の完全性・健全性も理論的に示した.
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