研究課題
1. 新しいパラメータの開発探索性能の向上を目的として、進化計算により獲得したセルラオートマトンの状態遷移ルールをパラメータで分類した。平成18年度に、パラメータとしてλ、ND、μパラメータの3つを検討したが、十分な性能は得られなかった。平成19年度は、新たに情報伝搬の速度に着目したパラメータを提案した。2. 処理能力の向上まず進化計算の部分に、多目的遺伝的アルゴリズムを導入した。2つの目的関数を用意して、これらを同時に最適化する方法を提案した。従来手法の遺伝的演算部(世代交代方法)を改良することにより探索性能の向上を図った。次に、適応度関数を改良した。従来研究ではランダムに生成したテスト問題を利用していた。これに対して本研究では、2状態セルラオートマトンの初期形態における1の密度を調整することによって、テスト問題の難易度を制御する方法を提案した。これにより、探索性能が更に向上した。3. 基本問題への適用ベンチマーク問題として広く用いられている「密度分類問題」に本手法を適用し、従来方法と比較検討した。(1)従来手法、(2)上記2の改良を行った手法、(3)上記1と2の改良を行った手法を比較した。その結果、正解率がそれぞれ、(1)73.5%、(2)81.1%、(3)90.2%となり、改良の効果が確認できた。更に、密度分類問題に対して、現在までに知られている最も優れた手法2つと比較した結果、本手法は、良解を生成できる確率が最も高いことがわかった。4. 今後の課題平成20年度は、本手法を2次元の画像処理問題に適用し、性能評価・適用限界について考察する。
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知能システムシンポジウム資料 第35回
ページ: 130-135
Proc. of IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics
ページ: 1243-1248