研究課題/領域番号 |
18500113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中野 良平 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90324467)
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研究分担者 |
斉藤 和巳 NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 主任研究員 (80379544)
北越 大輔 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (50378238)
木村 昌弘 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (10396153)
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キーワード | 複雑ネットワーク / ネットの成長 / 情報伝播 / 混合コミュティモデル / 山火事モデル / ブログロール |
研究概要 |
<目的> 巨大スケールで成長するインターネットの成長過程を数理モデルとして構築し、その挙動を解明するのが本研究の目的である。 <本年度の研究実績> 本年度の計画は、複雑ネットワークの成長を精度良く説明できる混合コミュニティモデルの考案とパラメータ推定、インターネットからの実データ収集であった。本研究では、山火事の振舞いをリンク伝播の進行とする山火事モデルを土台として、混合コミュニティモデルを考える。 山火事モデルのリンク先選定は、情報伝播のIC(Independent Component)モデルと非常に近い関係にあるので、情報伝播モデルに関する研究を進めた。具体的には、情報伝播モデルにおける影響最大化問題を検討した。影響最大化問題を解く従来法では莫大な計算量が必要になるという問題があった。この問題を克服するため、パーコレーションと呼ばれる統計物理分野で研究されている技術やグラフ理論を土台として新解法を考案した。提案法の高速性、有効性を、ネットから収集したプログトラックバックネットやウィキペディアの人名共起関係ネットに関する実データを用いたシミュレーションで確認した。 次に、山火事モデルなどの情報伝播型成長モデルでは、全リンクで等しい情報伝播確率を前提としているが、実現象を精度良く説明したり予測したりするには限界があると考えられる。そこで、尤度に基づく確率モデルを考え、最尤推定に基づき、ネットワーク構造から各リンクの情報伝播確率を学習することが可能な新手法を考案した。一方で、アメーバブログロールに関する実データを収集し、提案法の有効性をその実データにおけるリンク成長予測問題に適用して確認した。 また、コミュニティの抽出に関しては、ネットワークにて密結合するコア部を効率良く抽出するために、k-denseコミュニティを考え、その効率的な抽出法を考案し、実ブログトラックバックなどの実データを用いて有効性を検証した。
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