本年度はデータの整備、基本アルゴリズムの検討、3次元可視化環境の構築を実施した。 気象データについては、菊地がインターネット地上配信によって過去のアーカイブに加え、「ひまわり6号」(MTSAT-1R)のデータを準リアルタイム(1時間遅れ)でローカルサイトに蓄積している。アルゴリズムに関しては、時空間の変動パターン抽出を目的として、従来の隠れマルコフモデルによる検討に加え、非線形・非ガウス型状態空間モデルのフィルタリングや平滑化に利用されるモンテカルロフィルタ(粒子フィルタ、Condensationアルゴリズム)の初期検討を行った。また、空間データの時間変動の3次元表示によるビジュアルデータマイニングの支援のために、偏光式立体視対応プロジェクタシステムを導入した。 一方、MODISの植生指標の年間時間変動パターン抽出については、区分化されたロジスティック関数とMAP(maximum a posterior)によるフィッティングを考慮し、北米の1年分のデータに適用し、その有効性を検証した。また欠落値の推定に関しては、時間フィッティングによる推定値と空間的な近傍地からランダムフォレスト回帰によって推定値を改善する方法を考慮し、同様のデータに対して試行してその効果を確認した。これらの結果をNASA Data Mining Workshopで発表した。また、カリフォルニア大学アーバイン校で研修し、共同研究者との打ち合わせを実施した。
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