研究課題/領域番号 |
18500128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
関口 芳廣 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (70020493)
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研究分担者 |
西崎 博光 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (40362082)
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キーワード | 発話の評価 / 対話コーパス / 講義音声 / 講演音声 / 発話の明瞭度 / 発話のテンポ / 発話速度 / フィラー |
研究概要 |
平成18年度の研究成果は以下の通りである。 1.実験用の音声データは、市販の対話コーペスや講演コーパスなどから音声データを収集できるが、実環境での音声も必要なため、山梨大学で行われている講義音声と就職試験のための模擬面接を録音し、実験用音声のデータベースを構築した。本研究では、音声データが大量に必要なので、次年度もデータの収集を継続する予定である。 2.予備的な実験で、音声を評価するための項目を検討した。そして、各評価項目について、講義の受講者などに音声の評価をしてもらった。この評価内容も音声データベースに含まれている。 3.評価に使う音声の書き起こしを行い、そのデータを音声データベースに付加した。 4.音声の評価と音響情報の関係を調べるために、音響情報分析ツールを作成した。 5.音声を評価するための予備的な実験として、講義音声、講演音声を使用して、その評価と音響的な特徴の関係について調べた。その結果、音声の音響的な評価は、大きく分けると、音声の音質と発話のテンポに分類できることがわかった。音質の中でも重要なのは明瞭性であり、その明瞭性は基本周波数の高さや周波数スペクトルの広域成分の有無に関係していると考えられる。但し、例外のデータも存在し、現在も検討を続けている。発話のテンポに関しては、発話速度と間合いが関係している。発話速度は視覚情報とも関連があり、パソコンなどのプレゼンテーション機器を使用した場合の方が、黒板などを使用した場合より、発話速度が速めになる傾向がある。黒板を使用した授業の方が理解し易いという傾向もあり、発話速度と発話の理解度についての検討を続けている。 6.発話中の言語情報の例として、フィラーの効果を調査した。その結果、適当なタイミングで、適当な数のフィラーを使用すると聞き易い発話になることがわかった。
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