研究課題/領域番号 |
18500130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
新田 恒雄 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 教授 (70314101)
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研究分担者 |
桂田 浩一 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 講師 (80324490)
入部 百合絵 豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 助教 (40397500)
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キーワード | 語意獲得 / 対話戦略 / 相互排他性バイアス / 形状類似バイアス |
研究概要 |
今年度は(1)語意獲得システムの情報理論的側面からの理論整備と検証および、(2)対話戦略学習アルゴリズムの実装と実験を行った。 (1)語意獲得システムの情報理論的側面からの理論整備と検証 1.音声と画像との対応関係の取得のために、これまでは確率分布間の相関を利用していたが、情報論的側面からの理論強化のために、KL情報量を利用した手法を提案した。 2.語意学習の効率化のために本研究では幼児に見られるバイアスを用いている。今年度は、相互排他性バイアス(異なる名前が同じ事物に付けられることは無い)と、形状類似バイアス(形の似通った事物には同じ名前が付く)の二つのバイアスに関して、定量的な評価実験を行った。さらに、それらのバイアスが、非論理的な推論バイアスから導出されることを示した。 3.これまでは画像特徴の単一の性質のみを表す語意を獲得していたが、複数の性質(例えば「りんご」については形状と色相)からなる語意を獲得できるように機能拡張し実験を行った。 (2)対話戦略学習アルゴリズムの実装と実験 昨年度まで検討してきた対話戦略学習アルゴリズムの性質を評価するためのプロトタイプを作成し、エージェント間対話による実験、および人間との対話による実験を通してアルゴリズムを検証した。エージェント間対話による実験の結果、相手の理解度を学習に利用することで、初期知識の量に合わせて役割が分化すること、互いの知識量に合わせた効率的な戦略が獲得できることを示した。また、実験で獲得した戦略を、人間-エージェント対話に適用し、人間との対話においても、獲得した戦略が有効に機能することを示した。
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