研究課題
基盤研究(C)
平成18年度は、主として以下の3つの観点から考察を行った。1)直線抽出の精度の検討研究代表者が数年前から検討を行っているローカル極座標法に関して,「直線の抽出精度」の面から検討を行った。これまでローカル極座標法による「直線の抽出精度」に関しては、抽出すべき直線の中で最長の直線を基に「最小分解能」を定義し評価を行ってきたが、ディジタル画像の直線の抽出精度は、画像のA/D変換における標本化間隔に依存するため、この精度を極端に上げることは、抽出直線の見かけ上の個数を増加させてしまうなど、かえって好ましくない結果を与えることを明らかにした。また、領域分割Hough変換に関して、直線を構成する画素の密度に基づいて、精度の高い直線を抽出する方法を提案した。(下記研究発表の他に、口頭発表として、「直線の密度を用いた領域分割Hough変換による直線検出、平成18年度電気関係学会支部連合大会講演論文集15-1、2006-9」がある。)2)円や楕円のなどの画像プリミティブの抽出に関する検討画像の中に存在するプリミティブを抽出するHough変換では、円や楕円のように図形パラメータの数が多いプリミティブの抽出については膨大な処理時間を必要とするため、この方法を直接用いることは得策ではない。そこでここでは、画像の点列の中から円弧に近い部分(初期円と呼ぶ)を選び、この初期円を点列上で誤差がなるべく少なくなる方向に成長させることで効率よく円や楕円を抽出する方法(楕円成長法)について検討を行い、点列との誤差の計算に「重み」を導入することで、プリミティブの抽出精度・速度が、従来の方法に比べて、大幅に改善されることを示した。(下記研究発表の他に、口頭発表として、「重み付き楕円成長法による円形物体の自動検出、平成18年度電気関係学会支部連合大会講演論文集15-3、2006-9」がある。)3)LMedS Hough変換の性質の解明実際の画像から画像プリミティブを抽出する場合、プリミティブを構成する点群の配置は非常に疎でばらつきが大きいことが多く、従来のHough変換を用いる方法では適切な画像プリミティブを抽出することができないことが多い。このため、このような場合にも全体的に見て妥当な位置に画像プリミティブを抽出できるLMedS(Least Median of Squares)Hough変換について研究を行い、これを従来のHough変換と組合わせることで、画像プリミティブを極めて高速に抽出することのできる新しい方法を開発した。(下記研究発表の他に、口頭発表として、「LMedSハフ変換における直線抽出の高速化、平成18年度電気関係学会四国支部連合大会講演論文集15-2、2006-9」がある。)
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電子情報通信学会論文誌 J90-D・No.7 (掲載予定)
Proceedings of the 17th International Conference on Computer and Information Science Engineering (CD-ROM)
Proceedings of the 9th International Conference on Control, Automation, Robotics and Vision (CD-ROM)
Proceedings of the Society for Imaging Science and Technology, International Congress of Imaging Science
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