研究概要 |
H19年度は以下の2つの基盤的な研究を並行して進め,並列分散画像認識用計算機システム上に実装した. (1) 複合的なモデル照合を行うことによる,居住空間内物体認識技術の開発 従来から親和的情報空間構築のための基礎技術として開発してきた基盤の上に立ち,観測用カメラ映像から求めた形状情報・画像明度情報に対して,個々の物体の形状モデルおよび物体間の関係性モデルを複合的に照合することによる物体認識を行うことにより,居住空間に存在する物体の種別・位置・姿勢情報を自動認識する技術に関する基本的な検討を行なった.また情報工学科実験室3内におけるPC筐体の3次元モデルを自動的に構築する実験を行い,基本的な有効性を確認した. (2) 特定人物の動作・表情変化解析による,人物内部状態推定技術の開発 親和的なコミュニケーションを適切に実現するためには,居住空間に存在する人物の内部状態を推定し,この推定結果に応じて適切なコミュニケーション内容を呈示する必要がある.このため,親和的情報空間構築のための基礎技術として開発してきた,移動物体追跡技術,移動物体の特徴解析による人物顔領域抽出技術,等の基盤要素技術の上に立ち,シーン中に存在する人物の動作・表情変化を随時検出・解析することにより,肉体的・心理的負担の無い状況で内部状態を行う技術の基礎検討を行なった.脳波をリファレンスとして用い,"快・正常・不快"の3状態を自動識別する実験を行い,基本的な有効性を確認した.
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