研究概要 |
本研究の目的は、1.等濃線分布を用いた本人認証システムの構築、2.表情表出した顔の抽出と認識システムの構築、3.本人認証システムに電子透かし技術を用いた場合における信頼性の向上に関する検討の3つである。平成19年3月現在、1.においては,家庭用ディジタルビデオカメラとノートPCを用いたシステムの構築を進めており,細部の修正はあるものの大まかなシステムの構築は完成している。本年度の研究において,新たに提案した2値画像の領域境界線に適したチェインコード化手法では大きな成果を挙げている。この手法を用いることによって複雑な輪郭を持った領域や図形に対し,領域境界線を途切れることなくチェインコード化をすることが可能となった。これは,本人認証システムだけではなく,様々な分野への応用も考えられる。次年度は,この手法を本人認証システムへ導入していく予定である。2.においては,表情を表出することで皮膚の位置や部位の大きさが大きく変化することを考慮し,平常の顔から表情を表出するまでの顔の特徴を安定して抽出する手法を検討し,従来用いていた方法に比べ,若干ではあるが表情の認識率は向上した。これ以外にさまざまな角度からの表情認識を可能とするため,顔部位の位置情報から顔の角度を検出する方法について検討を行っているが,システムへの組み込みにはまだ至っていない。3.については,電子透かし技術を用い様々な方法で個人認証システムにおける信頼性の向上を図っているが幾つかの課題が残っている。
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