本研究は、人間の顔表情の変化をビデオカメラで撮影し、画像処理手法を駆使した環境変動に頑健な手法により動画像を解析することで、その人の意識を解析するシステムの構築を目標とするものである。18年度は、解析手法の検討と試作システム全体の設計、4次元データ計測部入力装置の検討と構築、および4次元データ計測部ソフトウェア処理部の検討と構築といった形状計測を主体として研究を進めた。19年度は、18年度に考案・試作されたシステムの計測精度を上げるため、様々な画像処理手法を用いた照明変動に強い口領域の動き追跡手法について検討し、計算機上に試作プログラムを構築した。また、実際に変動照明が照射されている被験者に発声させつつビデオカメラで撮影した画像を用いて実験を行った結果、口領域の動きに追従し安定した追跡を実現できることが目視で確認された。さらに、これまでの成果を踏まえ、照明の角度や位置の変化にも適用できるようなシステムの改善方法の検討と、応用システムの設計なども行った。本研究において、照明変動という環境変動下においても、撮影された動画像からある程度顔内部の形状変化や顔構成要素の動きが画像内で追従できることがわかり、様々な実応用システムにおける活用への可能性が見込めることが判明した。なお、本研究で提案した手法や試作システムに関して得られた知見・成果は、国際会議と研究会において発表し、様々な参考意見をいただいた。
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