研究課題
これまでに構築した発話ロボットにより、音声の特徴から、その音声を生成するのに必要な口内の発話動作が再現できることボ確認できた。本年度は特に、聴覚障碍者や発話障碍者が、見本となる構音動作や口内の動きを見ながら、対話的に発話訓練をすることができるシステムの構築を進めた。香川県立聾学校の協力を得て、高等部7名、中等部10名の聴覚障碍を持つ生徒に、発話訓練実験をおこなった。発話訓練は、ロボットによる発話動作再現を利用するハードウェア訓練と、音声特徴マップを用いて目標音声との音響的距離を提示するソフトウェア訓練から構成される。ハードウェア訓練はまず、ロボットが聴覚障碍者に目標となる声道形状を提示する。訓練者は、ロボットの声道形状を参照しながら、目的音声の発話をおこなう。ロボットは、訓練者が発声した音声から、その音声を発声するための声道形状を推定し、目標形状と対比しながら提示する。訓練者は、ロボットの声道形状と自身の口内形状の違う部分を自ら意識しながら、再度発声する。以上を繰り返しながら、目標の声道形状と、訓練者の口内形状が近くなるまで対話的に訓練をおこなう。音声特徴マップを用いたソフトウェア訓練においては、発話者が発声した音声が、その音響特徴を基にマップ上にマッピングされる。これを用いて、聴覚障碍者が音声を発声した際に表示される特徴点と、目標音声の領域との距離が短くなるよう発話を繰り返すことにより、明瞭な音声の発話が獲得されることになる。ロボットによる発話訓練の結果、13名が良好に発話動作を獲得できた。また、これまでの言語聴覚士との訓練に比べ、口内形状の違いが目で確認できるのでわかりやすいという高い評価を得られ、本ロボットシステムが発話訓練装置に利用できることが実証できた。今後、更に発話訓練実験を続けながらシステム構築を進め、実用化につなげていく。
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