研究概要 |
情報インフラストラクチャの整備が進む一方,社会的な情勢として少子高齢化が進み,それに伴い情報弱者とのIT格差が進んでいるのが現状である.情報弱者のインフラ利用の妨げになっているのは,情報機器の操作が困難であることが大きな要因となっている.そこで本研究では,1)ロボット操作におけるユーザーの意図認識方共同注視機構の構築2)ネットワークを介してロボット間でユーザーの意図・環境情報を共有,に着目しシステムを構築した.ロボットにオントロジーを用いることにより,人が注意を向けている対象からロボットが人に提供するべきサービスを推測した.個々のロボットには個々の基本的なオントロジーを用い,その場その場で必要とされる細かい知識は,環境に記述するシステムを構築した.システムはユーザーが指差し動作によりロボットにコマンドを送り,それに対してロボットがサービスを提供する.指差し動作は同じ動きであっても,状況によって異なる意味を持つため,オブジェクトのプロパティ等環境情報を考慮することで,指差しの意図を理解する人とロボットの共同注視型対話ネットワークロボットシステムを実現している. 本研究ではアンコンシャス型,バーチャル型,ビジブル型ロボットがオントロジカルネットワークを介して環境情報を共有する.ロボットが個々のオントロジーを用いて環境情報からその状況を判断し自らの行動を決めることによってサービスを提供する.ロボットがサービス提供に必要な環境情報をその都度参照することにより,個々のロボットの情報量を軽減し,またロボット間での情報共有が可能となった.ロボットが人の注意対象である場所や物の性質から人の指差し動作の意図を推測しサービスを提供することにより,より状況に即したサービスを提供する例を実機実験で検証し,評価実験を行い,その有用性を示した.
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