研究課題/領域番号 |
18500158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
春日 正男 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (00280909)
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研究分担者 |
阿山 みよし 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (30251078)
長谷川 光司 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (50272761)
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (00344903)
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キーワード | AVコンテンツ / 色演出 / 明度 / 彩度 / 画面サイズ / 感性的評価 |
研究概要 |
AVコンテンツの再現環境において、感性的な心地良さなどを含めて、高臨場感を得るためにはコンテンツの色演出は重要な役割を果たす。しかし、これまで画像における色演出を調査した研究のほとんどが、同一の画面サイズを用いた評価実験である。この点から、これらのコンテンツは現在の多様化する表示媒体の画面サイズに必ずしも適切に対応している表現であるとは言えない。この背景の下、本研究では、多様化する表示媒体の各種の画面に対し、画面サイズに適切な色演出に関する調査検討を目的としている。そこで、画像の明度と彩度を様々に変換した画像を、小画面・中画面・大画面の3サイズで被験者に提示し、感性的観点から評価することにより、画面サイズと色演出および鑑賞者の受ける印象との関係を明らかにした。実験の結果、「自然な」や「好ましい」等の評価語の因子負荷量が高い「嗜好性因子」は、画面が大きくなるにつれて彩度と明度がともに低い方に得点のピークが移動することが分かった。コンテンツを制作する上で重要な要素となるこの「嗜好性因子」の傾向から、大画面向けのコンテンツ制作には色演出を限定的にする必要があることを意味しており、これは画面サイズに適切な色演出手法に関する新しい知見である。したがって、この結果は、色表現の方法によって、コンテンツ制作者が意図する感性を鑑賞者に的確に伝えることができる可能性を示唆していると言え、本研究の有用性の一つとして訴求できる。
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