研究課題/領域番号 |
18500166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
井上 勝雄 広島国際大学, 心理科学部, 教授 (00352021)
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研究分担者 |
田中 英夫 広島国際大学, 心理科学部, 教授 (20081408)
関口 彰 広島国際大学, 心理科学部, 助教授 (70412343)
広川 美津雄 東海大学, 短期大学部, 教授 (40279758)
糸川 裕子 広島国際大学, 心理科学部, 助手 (40341234)
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キーワード | 感性工学 / ラフ集合 / 製品デザイン / マーケティング |
研究概要 |
従来の感性デザイン手法では、求める「好き」や「買いたい」などの態度や各種のイメージを逆問題の手法で分析した結果を提案や製品化に直接反映することが行なわれていたが、それでは魅力的な製品デザインにならない。分析結果はあくまでも現状の製品群の特徴を示しているだけであって、そこには創造性は加味されていない。そこで、必要になってくるのが、この現状分析を基にしたデザインコンセプトの策定となる。その策定法にラフ集合の併合の考え方を応用した策定法の提案を行なった。それを企業の協力を得て実際のデザインコンセプト策定に適用し検証を行なった。また、パッケージデザインの事例研究にも応用した。 一方、線形式の多変量解析による逆問題手法の多重共線性の課題を解決する非線形手法として、近年、ラフ集合は応用が始まっているが、感性データの場合の目的変数である決定クラスの決定法についての研究がなされていなかった。そこで、被験者から得られた評定尺度のデータの度数分布からクラス分けする手法を考案しその事例研究で検証した。 ところで、ラフ集合では同値関係などでデータの粒子化が行なわれているが、研究分担者の田中英夫の提唱するラフ近似は実数上の粒子化として区間の考え方を用いており、ラフ集合アプローチと関連している。ラフ集合は質的データを対象にしているが、ラフ近似は量的データを対象にしているので、両者を感性デザイン手法に導入することは応用の範囲が広がる。そこで、デジタルオーディオプレーヤー製品の操作性評価手法にラフ近似とラフ集合の両方を用いた事例研究を通じて、新たなユーザビリティ評価手法の提案を行なった。 また、ラフ集合により求められる沢山の決定ルールを考察するための研究代表者が提案する決定ルール分析法で、事例研究の結果を踏まえ、数量化理論のカテゴリースコアに相当するコラムスコアの標準化などの手法的な改良を行なった。
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