研究概要 |
本研究は,社会情報システムの構築にあたり,もっとも基礎的な能力であるシステムモデリング分野の体系的整理とその指導のための教材の開発を目的とするものである。モデリングを理解させるためには,現実の社会やビジネスプロセスに対する理解が必要であり,この点が大学生に対するモデリング教育の困難さの一つとなっている。そこで,本研究では,大学生に関心の高いゲーム設計を一つの題材として取り上げ,モデリング技術の教育に取り組むことを特徴としている。 初年度は,以下の5つのテーマに関する研究開発を行った。 1.モデリングに関する教材開発の準備のため,既存のモデリング方法論に関連する各分野の既存研究の整理を行った。 2.モデリングの適用事例を集め,成功事例と失敗事例の違いを分析し,影響する要因を洗い出した。 3.公共性の高い社会情報システムである電子政府,電子自治体などの施策で導入された情報システムの事例を収集し,設計のポイントやプロセスの要件を洗い出した。 4.教育用ゲームのデザイン方法論を整理し,実際の事例を収集して,モデリングの方法論としてゲームデザインを位置付けるためのゲームデザイン手法の研究を行った。 5.具体的な事例ベースにコンテンツの制作と運用を行い,その中からコンテンツの開発・運用の方法論とガイドラインを研究した。 以上の研究成果は教材としてまとめながら,ISプログラムのコア科目である「モデリング」,「情報システムデザイン」,「コンテンツマネジメント」など19年度の授業に活かす予定である。
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