研究課題
1.幼児による範囲特定的指さしの理解と部分名称獲得事物の部分への指さしが、部分名称獲得のために利用できるかを、幼児と大人を対象として実験により調べた。事物の部分に触れて指さしをする場合に、部分の範囲を人さし指でなぞるように触れると、2歳児でも正しく触れた部分と名称を結びつけて解釈できることがわかった。2歳児では単に部分に触れるだけではそれができなかったので、範囲特定的な指さしをすると、部分名称の獲得が容易になることが示唆された。2.不一致ラベルづけ実験時の養育者の視線と発話タイミングの解釈見慣れない2つの事物を示し、大人かラベルづけしているときに見ている物と、その時子どもが見ている物が不一致の状態のときに、子どもはどのように視線を動かすかをビデオにより調べた。子どもが注意を自分が遊んでいる事物に10秒以上集中させているときにラベルづけを行うと、4歳児では6割程度の子どもが大人の視線を確かめることなくもう一方の事物をとっていた。2歳児でもこの行動の萌芽が見られた。幼児は発話タイミングを正しく解釈することにより事物を特定できる能力を持つことが示された。3.幼児による指示意図の推測と下位カテゴリー名称の獲得「このイヌはシバです」というような「この○○は△△です」という言語形式は下位カテゴリー名称の獲得を促進するか調べた。刺激カードには中央に1体のイヌ、その周囲に同じイヌのカテゴリーに属する複数の下位カテゴリーのイヌの小さい図を配置した。「これはイヌです。」「このイヌはシバです」と名称を提示した。結果、同じカテゴリーの他のイヌの絵が配置されているときは4歳児でも1体のイヌの絵だけの場合よりも成績が下がることがわかった。子どもはラベルが提示されたとき候補の事物が複数ある場合は、言語以外の手がかりを利用していることが示唆された。
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日本発達心理学会第19会大会発表論文集
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東京電機大学総合文化研究 5
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Handbook of the 9th Annual International Conference of the Japanese Society for Language Sciences
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Proceedings of the 30th Annual Meeting of the Cognitive Science Society (掲載確定)
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XI International Congress For The Study Of Child Language (掲載確定)