研究概要 |
スペクトル拡散通信システムに関する統計モデルの説明を通して研究計画を述べる。無作為抽出ベルヌイコード( X_0, X_1,…, X_(N-1))が利用者に与えられるとする。T で1データdを送信する時間とすると、データは拡散データベクトル(dX_0, dX_1,…, dX_(N-1))として拡散された形で送信される。いま、T_c は1コード成分X_iを送信する時間(chip time)でT= NT_cを満たす。また、受信時での伝達遅延時間はmT_c + τ で表現され、ここにmは自然数である。一般性を失わず、0 ≦ m ≦ N-1 かつ0 ≦ τ < T_cとする。このように拡散されたデジタル信号は正弦波に掛けられて搬送される。このシステムは同一周波数での複数ユーザーの同時通信を可能にし、携帯電話、地上デジタル放送および測距技術に応用されている。このとき、問題となるのは受信信号に同期する方法であり、本研究では統計的同期判定法と相関効率である。
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