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2006 年度 実績報告書

モンテカルロフィルタを用いた金融時系列における潜在要因の推定

研究課題

研究課題/領域番号 18500222
研究種目

基盤研究(C)

研究機関統計数理研究所

研究代表者

佐藤 整尚  統計数理研究所, データ科学研究系, 助教授 (60280525)

キーワード時系列解析 / 金融データ / 数理ファイナンス / 状態空間モデル / モンテカルロフィルタ / 投資信託 / 計算統計学 / 自己組織化
研究概要

時系列解析の目的の1つに観測値の背後に隠れている性質や関係を抽出することがあげられ、特に状態空間表現によるアプローチが盛んに研究されている。本研究ではこのようなアプローチを金融時系列に適用して実証分析を行う。しかしながら、ベースとなる理論モデルは、近年の数理ファイナンス学の発達の過程で、より複雑なモデルが提案されるようになった。ただし、実務界においては計算手法の制約から線形モデルなどの比較的単純なモデルのみが利用されてきた。近年、計算機やアルゴリズムの発達により大規模な計算が可能となり、より現実的なモデルの適用が可能になってきた。モンテカルロフィルタも,そのような計算手法の発展の中で開発されたもので,平易な計算アルゴリズムにより様々な形のモデルを推定することが可能である。ここではモンテカルロフィルタを使った金融データへの応用を考え、対象系列としては,金利変動の実証分析に関するもの,投資信託のデータに関するもの,ボラティリティの推定に関するものである.本年度においては、まず、データの整備を行い、それらに対して予備的な解析を行った。モンテカルロフィルタのパラメータ推定について考察を行い、いくつかの方法について比較検討を行った。その結果、自己組織化によるアプローチによって、第1段階の推定値を求め、その値の周りに乱数を使って散らばし、その中でもっとも尤度の高い推定値を最終的な推定値とするのが現実的な方法であることが分かった。この方法を用いて、投資信託のデータに対してモンテカルロフィルタを適用して、これまでにはないモデルの推定に成功した。この結果を来年度にはまとめて、投稿する予定である。資産価格のボラティリティの推定については、ジャンプを含むようなモデルの開発を行ったが、これをモンテカルロフィルタで推定する際に問題があることが分かったので、その対策を検討していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 初期分布探索付き自己組織化状態空間モデルによる金融時系列解析の最前線 : t分布付き確率的ボラティリティ変動モデルへの応用2007

    • 著者名/発表者名
      矢野浩一, 佐藤整尚
    • 雑誌名

      FSAリサーチ・レビュー 2006年号

      ページ: 143-166

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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