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2006 年度 実績報告書

CDK5による変異型NPC1蛋白リン酸化によるニーマンピック病発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18500243
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

富澤 一仁  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40274287)

研究分担者 松井 秀樹  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
キーワード神経変性疾患 / サイクリン依存性リン酸化酵素 / Cdk5 / ニーマンピック病 / 膜輸送
研究概要

ニーマンピック病は、脂質代謝輸送の異常により脂質が神経細胞体に蓄積し、細胞死を誘導する神経変性疾患である。原因遺伝子としてNPC1、NPC2が同定されており、同疾患患者では、これら遺伝子の欠損あるいは変異が認められる。NPC1は、脂質のエンドソームからゴルジ間の輸送に関与していると考えられている。NPC1の変異は、本疾患の約95%の患者に認められ、その内の脂質との結合ドメインの変異については、脂質との結合が障害されるため、脂質輸送が阻害されることが知られている。一方、細胞内ドメインにも高頻度に変異が認められるが、同変異による脂質輸送障害の機序は不明である。本研究では、NPC1の細胞内ドメイン変異によるニーマンピック病発症のメカニズムを明らかにすることを目的に研究を実施し、以下の研究成果を得た。
1.Cdk5による変異型NPC1のin vitroリン酸化・・・細胞内ドメイン変異型及び野生型NPC1のループ1-2の組換え蛋白質を作製し、Cdk5によりリン酸化を受けるか検討した。同ループがCdk5によりリン酸化を受けることを確認した。さらに、リン酸化部位について質量分析法にて同定を試み、320番スレオニンがリン酸化部位であることを同定した。
2.Cdk5による変異型NPC1のin vivoリン酸化・・・細胞内ドメイン変異型NPC1の320番Thrのリン酸化を認識するリン酸化抗体を作製した。ニーマンピック病患者から樹立された細胞内ドメイン変異型NPC1発現している線維芽細胞におけるNPC1のリン酸化について、同リン酸化抗体を用いて検討した。その結果、ニーマンピック病患者の細胞では、NPC1の320番目のスレオニンが著しくリン酸化されていることが明らかになった。
3.変異型NPC1発現神経細胞におけるCdk5活性について・・・細胞内ドメイン変異型NPC1を発現している細胞内のCdk5およびCdk5活性化因子p35,p39の蛋白ならびにmRNA発現について、正常NPC1発現コントロール細胞内のそれらと、ウエスタンブロッティング法・定量PCR法にて比較検討した。Cdk5ならびにp35の発現に有意な差が認められなかったが、変異型NPC1発現細胞においてp35の限定分解産物であるp25の著明な発現が認められた。それに伴う、Cdk5の異常活性化が変異型NPC1発現細胞において認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Major Cdk5-dependent phosphorylation sites of amphiphysin 1are implicated in the regulation of the membrane binding and endocytosis.2007

    • 著者名/発表者名
      Liang, S. et al.
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry (印刷中)

  • [雑誌論文] Novel protein transduction method by using 11R. An effectiv new drug delivery system fro the treatment of cerebrovascular diseases.2007

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, N. et al.
    • 雑誌名

      Stroke (印刷中)

  • [雑誌論文] A cell-permeable NFAT inhibitor peptide prevents pressure-overload cardiac hypertrophy.2006

    • 著者名/発表者名
      Kuriyama, M. et al.
    • 雑誌名

      Chemical Biology &Drug Design 67・3

      ページ: 238-243

  • [雑誌論文] p53 protein transduction therapy : Successful targeting and inhibition of the growth of the bladder cancer cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Inoue, M. et al.
    • 雑誌名

      European Urology 49・1

      ページ: 161-168

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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