研究課題
基盤研究(C)
小脳や小脳と強い連絡を有する下オリーブ核において、上肢、下肢、あるいは口腔顔面の運動に関連する領域がどのように分布しているかについては明らかにされていない。本研究では、神経生理学的および神経解剖学的手法を用いて、大脳皮質前頭葉の一次運動野に狂犬病ウイルスを局所注入し、ニューロンの逆行性かつ越シナプス性ラベルを利用して、下オリーブ核を介する「大脳-小脳ループ」における身体部位特異的な投射様式を選択的に可視化することを目的とした。18年度は、具体的に以下の研究計画を実施した。まず、サルに脳定位固定装置及びチャンバーを取り付ける手術を行い、エルジロイ電極を前頭葉皮質の中心溝前壁及び内側壁に挿入し、皮質内微小刺激により惹起される上肢、下肢、あるいは口腔顔面運動を指標にして、一次運動野の各身体部位領域を同定した。次に、同定された領域に狂犬病ウイルスを注入し、3-4日の生存期間の後、ラベルされた二次および三次ニューロンの小脳核と小脳皮質における分布様式を解析した。その結果、小脳核および小脳皮質において、下肢、上肢および口腔顔面の運動に関連する領域が吻側から尾側に配列していることが明らかになった。以上の結果に基づき、19年度は、一次運動野の各身体部位領域に狂犬病ウイルスを注入し、注入後4-5日の生存期間において三次および四次ニューロンのラベルが下オリーブ核にみとめられることを見出した。下オリーブ核では、下肢、上肢および口腔顔面の運動に関連する領域が尾側から吻側への身体部位局在配列を有していることがわかった。
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