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2007 年度 実績報告書

新規ペプチドrelaxin3の神経系における機能形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18500268
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

田中 雅樹  京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (80264753)

研究分担者 飯島 典生  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00285248)
渡邊 義久  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50363990)
キーワードrelaxin 3 / development / gene expression / PCPA / serotonin / cAMP
研究概要

Insulin super familyに属するrelaxin3/Insulin like peptid7と呼ばれる新規脳ペプチドについて、機能形態研究を進めてきた。これまでに免疫組織化学法やin situ hybridization法を用いて、脳内における発現部位を同定し、平成18年度からは脳幹でのラット発育期における経時的な発現変化を検索して遺伝子は胎生18日より、ペプチドは出生時から検出できることを明らかにした。またrelaxin3遺伝子発現に対するセロトニン(5-HT)ニューロンの影響を調べ、5-HTの枯渇剤であるp-chlorophenylalanineを投与すると遺伝子発現が約1.5倍に増加することが分かり、5-HTにより抑制性に支配を受けていることを示して、Regulatory Peptides誌に報告した。5-HTやストレスで遺伝子発現が変動することから、次に遺伝子発現の制御機構について研究を展開した。relaxin3が神経系の培養細胞株Neuro2aに発現することを発見し、プロモーター領域にリポーターとしてEGFP遺伝子を連結させたベクターをNeuro2aに遺伝子導入し、さらにG418の選択により安定発現株を作製した。種々の薬剤を投与してEGFPの蛍光強度を測定したところ、細胞内cAMPを増加させるdibutyryl cAMPやforskolinにより有意に蛍光強度が増加した。またPKAの特異的な阻害剤であるH89投与によりその作用が抑制された。relaxin3ニューロンはCRF-R1受容体を発現しているので、細胞株に強制発現させて、CRFを投与したところ、有意にrelaxin3のプロモーターが活性化された。これらの結果よりrelaxin3遺伝子はcAMP-PMAのsignal pathwayを介して転写が亢進されていることがわかり、おそらく生体内でも同様の機序で転写亢進されることが想定される。次に上流プロモーターの活性化部位の詳細を明らかにするため種々の欠損領域をもつ変異体を作製してリポーターアッセイを行ったところ、exon1開始点の上流67-117bpの50塩基対が活性化に重要であることが判明した。これらの成果をまとめて現在Journal of Neuroscience Research誌に投稿中である。同様の研究手法で新規のセリンプロテアーゼspinesinの遺伝子発現にcAMPが関与することを明らかにして、研究成果はJ Neurosci Res誌2008年度版に掲載された。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Developmental expression and serotonergic regulation of relaxin3/INSL7 in the nucleus incertus of rat brain.2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto Y, Watanabe Y, Tanaka M
    • 雑誌名

      Regulatory Peptides 145

      ページ: 54-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The cAMP-dependent regulation of spinesin/TMPRSS5 gene expression in atrocytes.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi T, Watanabe Y, Tanaka M, Nakagawa M, Yamaguchi N
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience Research 86

      ページ: 610-617

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット脳におけるrelaxin3/INSL7の発育期発現とセロトニンにおける発現調節2008

    • 著者名/発表者名
      宮本容正、渡邊義久、田中雅樹
    • 学会等名
      第82回日本解剖学会・近畿支部学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] Spinesin/TMPRSS5遺伝子のアストロサイトにおけるcAMP依存性発現制御2008

    • 著者名/発表者名
      山口達之、渡邊義久、田中雅樹、中川正法、山口希
    • 学会等名
      第82回日本解剖学会・近畿支部学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] 神経特異的遺伝子群を制御する転写因子NRSFの新規結合遺伝子の解析2008

    • 著者名/発表者名
      鳴瀬義久、青木勉、廣瀬英司、渡邊義久、田中雅樹、星伴路、森望、松浦忠夫
    • 学会等名
      第82回日本解剖学会・近畿支部学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] ストレス、摂食調節ペプチドrelaxin3の発現調節機構2008

    • 著者名/発表者名
      田中 雅樹、渡邊 義久
    • 学会等名
      第5回GPCR研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-09
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] ストレス、摂食調節ペプチドrelaxin3の発現調節機構2008

    • 著者名/発表者名
      田中雅樹、渡邊義久
    • 学会等名
      第113回日本解剖学会総会シンポジウム
    • 発表場所
      大分
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 新規ストレス応答遺伝子relaxin3の発現調節解析2007

    • 著者名/発表者名
      渡邊 義久、田中 雅樹
    • 学会等名
      第3回3大学連携フォーラム
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-12-21
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Regulation of relaxin 3 gene expression2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M, Watanabe Y, Yoshimoto K
    • 学会等名
      Annual Meeting of the Society for Neuroscience
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2007-11-05
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Relaxin3遺伝子の発現調節解析2007

    • 著者名/発表者名
      渡邊義久、吉本寛司、田中雅樹
    • 学会等名
      第30回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-09-10
  • [学会発表] Relaxin3遺伝子の発現調節機構2007

    • 著者名/発表者名
      田中雅樹、渡邊義久
    • 学会等名
      第34回日本神経内分泌学会
    • 発表場所
      前橋
    • 年月日
      2007-08-05
  • [備考]

    • URL

      http://www2.kpu-m.ac.jp/~cellbio/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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