研究課題/領域番号 |
18500296
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 規雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70263407)
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研究分担者 |
関 貴弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50335650)
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キーワード | 脊髄小脳失調症(SCA) / プロテインキナーゼCr / 凝集体形成 / アポトーシス / 小胞体ストレス |
研究概要 |
遺伝性脊髄小脳失調症14型(SCA14)の原因として同定された変異γPKCは細胞内で凝集体を形成し、アポトーシスを誘発することが明らかとなっている。そこで、SCA14の病因究明と新規治療薬を探索する目的で研究を推進し、以下の結果が得られた。 (1)変異γPKCの凝集体形成は、ユビキチン・プロテアソーム活性の低下とそれに引き続く小胞体ストレスを引き起こし、さらにアポトーシスを誘導することが明らかとなった。 (2)変異γPKC発現培養細胞を用いたin vitro薬物スクリーニング系の確立。 ドパミン神経由来細胞株であるSH-SY5Y細胞にアデノウイルスベクターを用いて変異γPKC-GFPを発現させた。発現後1-2日で変異γPKC-GFPの凝集体形成が蛍光観察可能であり、さらに3日後には多くの細胞でアポトーシスが誘発されていた。この細胞系を用いることで凝集体抑制作用を有する薬物のスクリーニングが可能と考えられるた。 (3)二糖類トレハロースにより変異γPKCの凝集体形成、アポトーシス誘発が抑制された。 (2)で確立した実験系を用い、様々な薬物の凝集体形成に対する効果を検討したところ、二糖類の一つであるトレハロースにより変異γPKCの凝集体形成が有意に抑制された。また、変異γPKCによるアポトーシスも有意に抑制した。 以上の結果より、トレハロースは変異γPKCによる細胞毒性に抑制効果があることが判明し、未だ有効な薬物が得られていないSCA14の新規治療薬の候補となるかもしれない。
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