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2007 年度 実績報告書

細胞外ATPによるミクログリア遊走能の調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18500307
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

大澤 圭子  国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 室長 (40392435)

キーワードミクログリア / 細胞遊走 / ATP / PLC / シグナル伝達 / 脳・神経
研究概要

本年度は、ATPによるミクログリア突起伸長の調節分子機構を解析するために、1)ミクログリアの突起伸長アッセイ系を作成し、P2Y12受容体の下流で機能するホスファチジルイノシトール3キナーゼ(Pl3K)とホスホリパーゼC(PLC)シグナル系の関与を検討した。また、2)P2×4受容体アンタゴニストの影響を調べ、P2×4の関与を検討した。
研究成果
1)ラット脳初代培養ミクログリアをトランスウェルインサート内に作成したコラーゲンゲル上に播種した後、ATP(50μM)をボトムウェルに添加すると、ミクログリアの突起伸長が観察された。突起伸長は、同濃度のATPをインサート内とボトムウェル内に同時に添加した場合には観察されなかった。また、ATPあるいはADP,2MeSADPにより引き起こされるが、UTPとUDPでは起こらず、P2Y12選択的アンタゴニストで抑制された。これらの結果から、突起伸長はATPの濃度勾配に依存したケモタキシスな反応であり、P2Y12を介して引き起こされる事が確認された。そして、Pl3K阻害剤およびPLC阻害剤により抑制されたことから、突起伸長はP2Y12の下流で活性化されるPl3KとPLC両シグナル系により調節されることが明らかになった。さらに、ATP刺激によりミクログリアのコラーゲンゲルに対する接着性が高まることを見出し、P2Y12を介した細胞接着因子の活性化が示唆された。
2)P2×4のアンタゴニストTNP-ATPとP2×4には作用しないP2XアンタゴニストPPADSの突起伸長に対する影響を調べた結果、TNP-ATPに阻害効果が認められ、PPADSには認められなかった。これらの結果から、P2×4が突起伸長に関与する事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Akt activation is involved in P2Y12 receptor-mediated chemotaxis of microglia2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Irino
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience Research(http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/fulltext/117882441/HTMLSTART) (in press)(Webで公開中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞外ATP受容体P2Y12を介したミクログリア突起伸長調節機構の解析2007

    • 著者名/発表者名
      大澤圭子、中村泰子、鈴木恵里、井上和秀、高坂新一
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] Molecular mechanisms of ATP-induced microglial chemotaxis2007

    • 著者名/発表者名
      大澤 圭子
    • 学会等名
      第50回日本神経化学会大会, 第30回日本神経科学大会、第17会日本神経回路学会大会合同大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-09-12

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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