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2007 年度 実績報告書

小脳シナプスのグルタミン酸除去に関与するグリア型トランスポーターGLT-1の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18500308
研究機関群馬大学

研究代表者

飯野 昌枝  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20008329)

キーワードグルタミン酸作動性シナプス / GLT-1 / GLAST / 小脳プルキンエ細胞 / ベルクマングリア / 登上線維 / 興奮性シナプス後電流 / トランスポーター電流
研究概要

本研究は,グルタミン酸作動性シナプスにおいて,グリア型グルタミン酸トランスポーターGLT-の役割を解明することを目的とした。
〔本年度の研究成果〕
1.興奮性シナプス後電流(EPSC)の解析:グリア型トランスポーター(GLT-1,GLAST)の欠損マウスを用いて,小脳プルキンエ細胞で,登上線維(CF)刺激によるEPSCを記録しKineticsの変化を野生型マウスと比較した。AMPA受容体の脱感作をCTZで減弱させるとGLT-1欠損マウスのCF-EPSCのdecayの時間経過は遷延するが,この遷延の程度はGLAST欠損マウスと比較すると有意に短かった。
2.シナプス活動に伴うグルタミン酸トランスポーター電流(Synaptically Activated Transporter Current; STC)の解析:野生型マウス,GLT-1,GLAST欠損マウスのベルクマングリアからCF刺激によって発生するSTCの振幅を解析した。GLAST,GLT-1欠損マウスのSTCの振幅は,それぞれ野生型マウスの31%,75%であった。このSTCの減少の程度は,野生型マウスで,種々の濃度のグリア型トランスポーター阻害剤によりGLASTまたはGLT-1欠損マウスと同程度のCF-EPSCのdecayの遷延を引き起こした時のSTCの減少とほぼ一致した。これらの結果より,GLT-1はGLASTと協調して,シナプス間隙からのグルタミン酸の回収を行うが,GLASTに比べてその役割は小さいことが結論された。
3.グリア型グルタミン酸トランスポーター阻害剤は,ラット海馬CA1ニューロンで,興奮性シナプス形成以前の生後1-3日目でも,NMDA受容体依存性の脱分極性振動を発生させた。従って,グリア型トランスポーターは,シナプス以外から細胞外に漏出するグルタミン酸の除去にも重要な機能を担うことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of glutamate transporter GLT-1 to removal of synaptically released glutamate at climbing fiber-Purkinje cell synapses2007

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Takatsuru, Masae Iino, Kohichi Tanaka, Seiji Ozawa
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 420

      ページ: 85-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Facilitated activation of metabotropic glutamate receptors in cerebellar Purkinjecells in glutamate transporter EAAT4-deficient mice2007

    • 著者名/発表者名
      Osamu Nikkuni, Yukihiro Takayasu, Masae Iino, Kohichi Tanaka, Seiji Ozawa
    • 雑誌名

      Neuroscience Research 59

      ページ: 296-303

    • 査読あり
  • [学会発表] 小脳プルキンエ細胞シナプスにおけるグルタミン酸トランスポーターの機能的役割2008

    • 著者名/発表者名
      飯野昌枝、高安幸弘、小澤瀞司
    • 学会等名
      第85回 日本生理学会大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル東京
    • 年月日
      2008-03-26
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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